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「アクションはラブシーンだった」山田裕貴、綾野剛、細田佳央太が語り尽くした熱き死闘と魂の交流【4/29 最終話プレミア上映イベントレポート】

ALLEVENT

山田裕貴主演、TBS×U-NEXT×THE SEVENグローバルプロジェクト『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の最終話プレミア上映イベントが、4月29日池袋HUMAXシネマズで開催された。抽選で集まったファンが見守るなか、京都決戦篇のクライマックスが大スクリーンで上映された。

本作は、漫画・橋本エイジ、原作・梅村真也による同名人気コミック初の実写化作品。3月26・27日の2夜連続でスペシャルドラマ“江戸青春篇”がTBS系で放送され、その後U-NEXTにて“京都決戦篇”の最新話が毎週金曜に配信されてきた。最終話は5月1日に配信予定。5月9日からは米配信サービス「HBO Max」を通じた世界配信が控えている。

■芹沢鴨vs新撰組の死闘が問いかける、“生きる”実感

「とことん咲いて、とことん散ろうぜ」——最終話で描かれたのは、芹沢鴨と新撰組メンバーの死闘。激しい殺陣は痛みを伴いながらも、どこか「終わってほしくない」と思わせる時間でもあった。彼らにとって散り際こそが、もっとも命の輝きを放つ瞬間だった。

命をかけて戦うことでしか得られない“生きている”という実感がある。だが芹沢は、やがてそんな生き方がしにくくなる時代が来るとも語った。その言葉は、現代を生きる私たちを予言するかのようでもあった。

生きるとは——。改めて私たちに突きつけられる問い。その生き様をもって答えを示そうとする彼らの熱演は、まさに令和の時代に心を燃やして生きる“武士”のような姿だった。そんな彼らの熱い思いに突き動かされるように、上映が終わるやいなや会場からは大きな拍手が鳴り響いた。

■“主役だけが未視聴”という事態が生んだ笑いの連鎖

試写後には、土方歳三役の山田裕貴、沖田総司役の細田佳央太、芹沢鴨役の綾野剛が登壇。まさに目の前で死闘を繰り広げた3人の登場に自ずと会場の熱気が高まる。司会者から最終話を観た感想について問われると、「言わなくちゃいけないことが……」と山田が何やら申し訳なさそうな声色に。

「家電オタクなんですけど、なぜか自宅のスマホとテレビの接続がうまくいかなくなってしまった」と言う。だが、どうしてもテレビのサイズで観たいという思いから、「みなさんと同じように、毎週金曜を楽しみにするっていう路線に変更した。なので……まだ観てないんですよ」と明かす。

まさかの展開に会場からは思わず笑いが起こると、綾野から「(この会場で)裕貴以外、全員観てますからね」というツッコミを入れ、「超ネタバレして話そう」と声をはずませるも、「あ、台本読んでるのか」と天然っぷりを披露してさらなる会場の笑いを誘う展開に。もちろん、撮影現場にいた山田は「撮影現場の思い出は僕、いっぱい話せるので」と笑い、主役でありながら「おふたりの話を聞くのが僕、今日楽しみなんで」と、配信を楽しみにしている視聴者としてのスタンスを貫いた。

■土方と芹沢の叶わなかった決着は“未完の完成”

そんな綾野は最終話の感想を、まさに「とことん咲いて、とことん散ったな」と語った。「この組に入ったときに、自分ができることのすべてを鴨を通して表現したいなと思ったんですよね。いろんな考え方があると思うんですけど、今回の鴨に関しては“散ること”で完成されるというか。死して完成するものを彼らに繋げられたらいいなという思いでやっていました」と鴨を生きた心境を明かす。

そして「歳三ともやりたかったな」という本音が綾野の口から飛び出すと、山田も「やりたかったですね。なんでやれなかったんだろうな」とポツリ。ただ、その後の土方の人生を思うと「あそこで戦って倒せちゃってたら、燃え尽きちゃってたのかもしれない。流れがあると思う人生っていうのは」と思いを馳せる。

その言葉を受けて綾野も「未完成であり続けることの魅力というか、完成を求めているのに完成されない。“未完の完成”があると僕は捉えている」と続け、「戦ってないけど、魂レベルで戦ってるんですよ。彼らのために鴨を生きたといっても過言ではない」と語った。

■命を奪い合いの場で包まれたのは“愛”だった

芹沢に致命傷を与えたのは、本作がほぼ初めてのアクションだったという細田。その激戦を制する大役を「綾野さんにもアクション部さんにも引っ張っていただき、すごく楽しかったんですよ」と振り返る。普段は自らの出演作品を自信のなさから「目を覆い隠しながら観る」という細田だが、「観ていてワクワクしたってことは、楽しさが詰まっていたからなのかな」と笑う。

最終話では、沖田の抱える鬼子の一面が現れる場面も大きな見どころ。「原作では目の色が変わって描かれているので、カラコンやCGの案もあった」そう。だが、最終的に細田の表情に委ねられたと言い、「すごく怖かったですが、綾野さんがやる鴨さんだったら」と悩みながらも迷うことなく演じられたと回顧。最後に鴨と対峙するシーンは「細田が綾野さんに対して『ありがとうございます』って言ってる」と心境を明かした。

その細田の奮闘を誰よりも近くで見てきたという綾野は「(沖田が)自分のなかの“鬼を食い切った”というのは、自分を愛することを選択したと捉えて、人間的感動がありました」と振り返る。また、細田との激戦の合間に鈴木伸之が演じる近藤勇との戦いもあり「鈴木くんの芝居を見てると、元気をもらえた。“うおぉーーー!”と雄叫びを上げるのを、ずっと観てたいって感じ」とも。

沖田、近藤、そして土方が、それぞれが最高温度で倒しに行こうとする姿に「ただただラブシーンだったな。僕モテすぎて。“次は俺だ、俺だ”って3人が。その感じが“全員来いよ!”っていう」と笑うと、山田も「アクションシーンってラブシーンが表現できるんだって知った」と同意し、沖田の「大嫌い」というセリフについても「大好きだから大嫌いってね」と楽しそうに話し、「はしゃいじゃって、すみません」と頬を緩めた。

■求める声が、“未完”の物語の先を紡ぐ

“最終話”とはあったものの、北村匠海演じる高杉晋作という新キャラクターが登場するなど、物語としては新たな展開を予感させる幕引きだった。鴨が散ったことで、大きな変化を遂げた土方。山田は「“あの人に追いつきたかった”という人が、いなくなった状態を想像してほしい」とその心情を紐解く。そんな土方の心に「“なんだこいつ?”と、ポッと火をつけてくれたのが高杉晋作」だというのだ。

山田にとって、北村は「肩をあずけられる存在」。今作への出演が決まったタイミングで、北村から「『東京リベンジャーズ』のときに助けてくれたから、今度は僕が力を貸します」という裏エピソードも披露された。「みなさんの声援がなければ、これで終わりなんで。だって匠海っち、あれだけで終わりじゃ嫌ですよね?」と続編を求める声を煽る山田に、「頼むから続編を! 夢のなかとか回想シーンでアクションしようか(笑)?」と綾野も応戦し、会場の熱がさらに高まった。

「みんなで集めた大きな刀をエイッと振るっている」作品だと本作を例えた山田。「伝わってる?」と少々不安げな顔をするも、細田、綾野、そして観客からも“伝わってる”という微笑みが返ってくる。そして、そんな愛情と熱意を持つ山田を見つめながら、改めて綾野が「最高の主役ですよね。愛してるぜ、裕貴!」という言葉を投げかけると、会場からは拍手が沸き起こった。

山田が「役と俳優の感情がリンクする」「もうお芝居じゃない」というほど、まさに血がたぎるような演技を繰り広げる作品となった『ちるらん 新撰組鎮魂歌』。彼らが生きた“未完”の物語は、やがて新たな時代へと繋がっていく。その先にどんな答えが待っているのか——まだ終われない。そんな思いが会場を包んでいた。